従業員のやる気を高めるには

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以前は従業員のやる気を高めるのはそれほど難しいことではありませんでした。黙っていれば給与は上がるし、またはいずれ上がることも容易に想像できました。

しかし、現在そのようにしてやる気を高められる会社は非常に少ないでしょう。マネジメントとしては、給与を上げるより海外に拠点を移す方を考えることになります。

そこで企業としては、給与以外の方法で従業員のやる気を高める努力をしなければなりません。

以前ダニエルピンクのやる気についての講義を紹介しました。彼はやる気にさせる重要な要素は自主性・成長・意義であると述べています。
http://www.ted.com/talks/lang/jpn/dan_pink_on_motivation.html

同様の調査結果が日本でもあったので紹介したいと思います。

 

以下東京海上日動リスクコンサルティング株式会社による「仕事に関する意識調査」http://www.tokiorisk.co.jp/topics/up_file/200909141.pdf

◆現在の仕事にやる気がある
あてはまる、ややあてはまるとの回答が全体の約5割

◆モチベーションを上げる仕事とは(3つまでの複数回答)

モチベーションが上がる仕事とは

(クリックすると拡大します)

◆自分のやりたい仕事をする
ダニエルピンクで言う自主性、成長、意義の3つ全てが関係します。

まず、もとからやりたい仕事なら問題ありませんが、そうでない場合はある程度企業側が説明しなければなりません。つまり、その仕事の社会的な意義、会社の経営理念との関係、会社・本人の成長にどれだけ役に立つかなど。それらを理解することによりやりたい仕事に変えることができます。

その上で、その仕事の仕方にもある程度自主性を持たせることが必要です。
その為には責任に応じた権限が与えられていること、新たな提案や試みが受け入れられる雰囲気があることの2点が求められます。

その他例えば在宅勤務制度や、Googleの20%ルールのような制度を導入しても良いかもしれません。

◆評価が実感できる
評価については以前から2つの変化があります。つまり、金銭で評価することが困難になっていること、及び業務内容が高度になり評価方法も変わってきていることです。

そこで新しい評価方法が必要になりますが、実感できるように例えば上司や同僚がすぐにほめるようにしているところもあります。

若干話はそれますが、人間は自らモチベーションをあげることはできないという考え方があります。例えばおいしそうな食べ物を見て初めて、食べようという動機・行動が生まれます。外からの刺激(食べ物)があってはじめて何かへのやる気が生まれるのです。

バイオリニストやピアニストは手をたくさん動かしているから手を動かすための脳部位が発達するそうです。脳部位が発達したからピアニストなどになったわけではありません。

ほめるということは非常に良い刺激になるそうです。
成長、意義、自主性もあるのにダイエットが成功しないのはなぜか、ほめられたりといった外部からの刺激が足りないからとも言えます。

また、適宜ほめることは評価方法としても適切です。
資金もかからない、給与や賞与のように行動のだいぶ後に評価されるわけではなくその場で、細かい刺激を受けることができるためです。

刺激の細かさは重要で、これはサルに対しての実験ですが、モニターに赤いサインが表示されたらレバーを押し、緑が変化したらレバーを放すようにしました。この程度の作業であれば成功率は97%を超えたそうです。しかし、1回ではダメで4回連続で成功しないとダメとした場合、成功率は格段に下がります。まず1回目は75%以下にまで下がり、2回目は80%、3回目は93%、そしてジュースがもらえる最後のステップである4回目では通常通りの97%の成功率に戻るとのこと。小さな目標を定めこつこつやっていかないと、モチベーションは上がらないということのようです。

もっと話はそれますが、全部ほめる必要はなく、半分でよいとのこと。
確率が100%だと、餌が必ず出て、0%だと餌が出ない。この確率をいろいろ変えてみて、ドーパミンがいつ一番でたかを観察したところ最大は50%。つまり、どっちつかずの確率の時に最大の快楽を感じたそうです。将来の不安、不確実性が脳の活性化には必要なようです。
(5回に1回何もしないのがちょうどよいとの説もあります)

◆高い金銭的報酬につながる
現在では非常に困難です。ただ、40代従業員はこれを求める割合が他の世代よりも多くなりますが、これは子育て・教育にかかる費用が多くなることを意味しています。その点についてはできる限りの配慮が必要かもしれません。

また、金銭的な報酬の中には会社に対する将来性もあります。今後、会社として安定や成長が見込まれるか、あるいは見込まれると自信が持てるように説明しているかがポイントになります。

◆新たな技術や知識が身につく
20代、30代社員は他に比べ相対的に求める割合が高くなります。もし若い社員が多いのであればやる気を高める大きな要素になります。

より具体的な基準としては、人材育成が効果的に図られているか、自分の成長につながる業務を行っている、あるいはそのような自信が持てるよう説明しているか、上司は困ったときにも頼れる存在であるかなどがあります。

現在企業が行う教育訓練について支給される助成金がいくつかあります。是非活用していただきたいと思います。

http://lsconsul.com/mt/2009/11/post-79.html
http://lsconsul.com/mt/2009/10/post-57.html
http://lsconsul.com/mt/2009/10/1231.html

◆お客様に感謝される
自ら行っている業務の意義を感じることは重要です。
業務の結果や他者(顧客)からの評価が実感できることが求められます。

◆まとめ
ダニエルピンクは必要な要素として自主性、成長、意義をあげています。
これらをさらに細かく見ると

  • 会社としての方向性やビジョンに共感し、業務の意義を理解している
  • 責任に応じた権限が与えられていること
  • 新たな提案や試みが受け入れられる雰囲気があること
  • 仕事の成果やプロセスが適正に評価されている
  • 今後、会社として安定や成長が見込まれる
  • 人材育成が効果的に図られているか、
  • 自分の成長につながる業務を行っている、あるいはそのような自信が持てるよう説明しているか、
  • 上司は困ったときにも頼れる存在であるか
  • 業務の結果や他者(顧客)からの評価が実感できる

などの基準が見えてきます。これらに一般社員、管理職ともに問題ないと答えられるなら、少々給与が安くても大丈夫かもしれません。


◆その他
ドナルド・E・スーパーによると個人が仕事に求めるものは

  1. 能力の活用
  2. 達成
  3. 美的追求(美しいものを創りだせる)
  4. 愛他性(人の役に立てる)
  5. 自律性(ほかからの命令や束縛を受けず、自分の力だけでやっていける)
  6. 創造性
  7. 経済的報酬
  8. ライフスタイル
  9. 身体的活動
  10. 社会的評価
  11. 冒険性危険性
  12. 社会的交流性
  13. 多様性
  14. 環境(仕事環境が心地よい)

また、リンクアンドモチベーションの小笹芳央氏によると、

  1. オプション:職種、報酬のタイプを自己選択、自己申告できる。
  2. コミットメント(参加):提案や目標設定、意思決定への参画権限委譲などにより自主性を高められる。
  3. ライバル:競争の機会を与えられ、意欲を刺激する。
  4. リンケージ:他社とのつながりを意識し、自らの仕事の重要性を意識すること。仕事が全体で1つになっていると実感すること。
  5. メジャメント:目標、進捗、成果などを測定し、数値にすること。明確になり、また修正することも可能となるため、より達成に向け頑張ろうとする
  6. フィードバック:取り組み姿勢、仕事のできなどについて評価や情報を与えること
  7. ロールプレイング(演じる):上司や同僚、顧客の立場を疑似体験すること。他者の視点を持つことにより、自分を客観的に見ることができる。誰かにフォーカスしたビデオを見せることもできる。(自分の仕事がどんなに社会の役に立っているかなど)
  8. ナレッジ:専門家や経験者からの薫陶を受け、知識を習得する機会を与えられること。本人の成長や自己実現を促すため、やる気が増加する。
  9. サンクス:感謝とねぎらいを受ける。社内、客など。スポットライト:表彰されたり、注目される機会を持つこと。自尊心が満たされる。

などが要素になるとのこと。

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