会社が労災を認めてくれない

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過労による脳・心疾患、精神障害、業務による病気などの他、業務中の怪我など分かりやすい事例であっても労災を使うなと言う会社があります。

軽微な怪我で、辞めたくない場合ついつい会社の言うとおりにしてしまうことがあります。その気持ちも分からなくはありません。
ただ、その時に考えておくべきことがあります。

 

◆結局後で退職に追い込まれるケースが多い
労災を申請しなければ会社でずっと雇う、と会社が言ったとしても後日結局辞めさせられるケースが多くあります。

そもそも労災を隠すのにはいくつか理由があります。労働保険料が上がる、査察が入る、風評など。そのほかに無事故記録が途切れる、発注基準に抵触するという問題があり、これは注文を受注できるかどうかに直接影響します。その為会社によっては必死に事故の事実を隠そうとし、結果的に一定期間後退職させることがあります。

また、障害が残り作業効率が悪くなった場合、徐々に退職へ追い込もうとするケースもあります。

◆保障内容の違い
健康保険の場合、診察・治療の費用3割は負担しなければなりません。一方、労災の場合個人負担は0です。

休業期間中の保障も健康保険なら勤務時の約67%。労災なら約80%。さらに健康保険は開始から1年半で終わります。労災の場合症状固定までずっと、その他重い障害が残る場合は年金を死ぬまでもらえます。

例えばむち打ちなどで一度休業補償を申請し、そこから症状が固定。しかし後日悪化し再手術、治療が必要になった場合、健康保険の場合は同一傷病名では傷病手当金の申請ができません。(1年半経過していれば)
一方、労災であれば再発の申請を行うことにより再度休業補償を受けることができます。

◆病院でも嘘をつくことになる
病院で診察を受けた場合、必ず原因を聞かれます。病院はそれを元に残りの診察料を請求します。そこで患者は怪我の原因を医者に言わなければなりません。

その時業務上の原因でと正直に伝えた場合、病院としては労働基準監督署に請求せざるを得なくなります。そうしないのであれば嘘の原因を伝えることになります。すると診断書もその内容で記載されます。

それを後から覆すことも不可能ではありませんが、理由書が必要になったりと面倒なことになります。

◆辞めた場合の保障もある
業務上の傷病療養中は解雇させることができません。もし労災申請によって解雇された場合は労働基準監督署に相談することもできます。

ただ、辞めたからと言ってすぐに収入がなくなるわけではありません。そんな会社はもう辞めてゆっくりと労災申請することもできます。

まずは、そういった会社はしっかり賃金を払っていない可能性がありますから、その調査を行います。特に残業代など割増賃金が払われているか確認しましょう。
詳細は
http://lsconsul.com/mt/2009/11/post-81.html
にありますからご参照ください。もし違反があるなら、業務日誌・タイムカード・メールの送信記録・ファイルの更新記録・ビルの入退館記録・同僚の証言などの証拠を確保しておいてください。

また、傷病によって働けないのであれば労災保険から休業補償があります。これは退職しても変わりません。治療を続け、療養補償給付が支給されていればもらえます。

例えば関節付近骨折で手術した場合、リハビリ等も含め6ヶ月ほど休業補償がもらえるでしょう。手術していなければ3ヶ月ほどです。

この間は雇用保険から何も支給されませんが、延長の手続きが必要です。職安で確認しましょう。

リハビリの効果もないと判断されると休業補償は打切りになり、その後は障害補償給付を検討することになります。同じく関節付近骨折でうまく曲がらない場合、10級から12級ほどになるでしょう。

働ける場合あるいは、症状が固定した場合は今度雇用保険の基本手当(失業給付)をもらうことになります。自らの意思で退職した場合は通常給付制限がつきますが
体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した場合は、給付制限がつきません。この場合は職安が求める様式に従って医師の証明をもらって提出することになります。

危険又は健康障害を防止するために必要な措置を講じず、労働災害の被害を受けたことにより離職した場合は特定受給資格者と判断されます。(行政官庁からの改善の指摘がなくても良い)その場合支給日数が増える可能性もありますから確認してください。

◆会社の補助がなく労災を申請するには
通常の申請書の他、理由書の添付が必要になります。
そこには、会社の誰が、いつ、どのような言葉で労災申請しないように言ったか記載するようにしてください。

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