正社員在宅勤務制度導入を労務管理改善の柱に

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人事労務管理の目的は、社員を必要なときに必要な人だけ採用し、その人のモチベーションを上げながら前線に供給することです。しかしその管理範囲、手法は多岐にわたります。

そこで、分かりやすいように柱となるテーマをつけることを提案しています。
それが在宅勤務制度の導入です。

在宅勤務制度を導入するとその導入過程で付随する様々な点を改善することができます。

 

◆評価方法の再検討
在宅勤務制度を導入すると、上司から離れて就業する時間が増えます。ずっと近くで就業している場合はその態度、方法など観察しその印象で評価することもできます。しかし、在宅勤務が行われるようになると見えていない部分への評価も必要になります。

それは例えば役割に対する取組み方法、成果などを指します。従業員はそれを説明できなければなりませんし、管理職はそれを適切に評価しなければなりません。

厚生労働省資料では在宅勤務制度導入に際し、評価が厳しくならないように上司に対して在宅勤務の理解を促す研修を行う、評価研修を行うなどが望ましいとされています。それらを行いながら、評価方法自体を再度検討することもできます。

◆モチベーションについての再考
もともとはこちらからのリンクですがダニエルピンクがやる気に関する講義を行っています。http://www.e-jimusho.jp/archives/51284018.html

ホワイトカラーをやる気にさせるのは報酬ではなく、自主性・成長・意義であると述べ、具体的に次の3つの事例を挙げています。

・実験によるとゴールが見えている簡単な問題に対してはアメ(報酬)により成績が上がった。しかし、ゴールが見えない困難な問題に対してはアメ(報酬)により成績が逆に下がった。

・Googleには20%ルールと言うものがある。業務時間の20%は業務以外のことをしなければならない。しかし現実にはこの20%の時間に現在Googleで提供されているサービスの多くが考案された。

・自主性、意義などに動機付けられた人々が作成したwikipediaはその他の百科事典より明らかに優れている

在宅勤務を行うことは、従業員の自主性・成長にとってプラスに働きます。

◆右脳を刺激する
これも同じくダニエルピンクが記した「A whole new mind」にありますが、今後左脳をベースとした論理的・合理的思考はその重要さをなくしていきます。なぜならある一つの問題に対して最も論理的なあるいは合理的な回答と言うのはそれほど数あるわけではありません。

結果その役割はPCや、インドや中国などコストも安く元来合理的に考えられる人々に取って代わられます。その人々でも結果はほとんど同じだからです。

一方、重要性を増すのは右脳をベースとした感性、より具体的には「デザイン」「物語」「調和」「共感」「遊び心」「生きがい」になります。それらを育むのに在宅勤務のほうが優れているといえるでしょう。

◆意思疎通方法の改善
在宅勤務を行った場合、意思疎通方法を今までと変えなければなりません。
直接の会話や会議はメールか電話かチャットなどに置き換えられることになります。

それと同時に、今までの方法が本当に効率的であったか考え直す良い機会になります。特に現在はWEB上で様々なサービスを利用することができます。

http://lsconsul.com/mt/2009/09/web.html
こちらでも取り上げていますが、セキュリティも確保された中でチャットを行い、後から検索も容易にでき、同時にカレンダーでスケジュールを管理し、タスクを分担し、文書を共有し、変更履歴が人目で分かるようなサービスもあります。

それぞれが自宅で意見を準備し、チャットにそれを掲載すれば
・だらだらと会議を行う
・発言責任の所在があいまい
・議事録を書かなければならない
・スケジュール管理ができていない
などの状態を改善することができます。

◆文書管理方法の改善
在宅勤務を行う場合、紙を大量に持ち帰るわけに行きません。そこで電子文書での管理が増えます。

◆事務所スペースの削減
紙の保管、従業員の作業スペースが削減され、結果オフィススペースが小さくなります。
洗浄剤等を販売しているある会社では全国に営業所をおかず、各地に在住する営業員のテレワークによって全国的な営業網の構築を実現しています。事務所の固定費がかからない上に、顧客に行く時間も増え、顧客満足度も向上しているとのことです。

◆事業継続性の検討
在宅勤務を行う人がいれば地震や新型インフルエンザなど予期せぬ災害が発生したときでも1箇所に集中する必要がなく、それぞれの自宅ですばやく業務を再開できるようになります。
これを機会に事業継続へ取組み、災害に強い企業にすることもできます。
http://lsconsul.com/mt/2009/09/post-42.html

◆次世代育成支援対策推進法への対応
H23年4月以降は101人以上の従業員を雇用する会社に一般事業主行動計画が求められます。認定基準の中には多様な労働条件の整備を行っているか評価する項目もあり、在宅勤務はその評価対象になります。

一般事業主行動計画を作成すれば助成金の申請も可能性が出てきますし、認定を受ければ従業員を重視している企業としてイメージの向上が期待できます。
これを機会に計画を作成しましょう。

一般事業主行動計画と助成金 http://lsconsul.com/mt/2009/09/post-54.html

◆女性、高齢者、障害者などの就業促進
在宅勤務ができる業務が増えると、女性・高齢者・障害者の雇用は容易になります。それぞれ雇った場合助成金が申請される可能性があるため、会社にとって利益は大きくなります。
http://lsconsul.com/koyou.html

さらなる活用ができないか検討することができます。

◆労働条件、労働時間管理の改善
就業の場所は労働条件として示す必要がありますから、就業規則、雇用契約書を改定する必要があります。

また、事業場外みなし労働時間制を導入すれば残業代の支払いは減ります。ただ、その場合も業務負荷、労働時間は慎重に管理する必要があります。

以上を機会に労働条件が法令にあっているか、労働時間が適切か確認しましょう。

◆セキュリティ
会社のPCにUSBを差込み、それを自宅に持って帰れるような環境では問題です。在宅勤務制度導入と共に、セキュリティに関する研修を行い、そのような方法をとらなくても、VPN+シンクライアント環境か、もしくは遠隔操作をできるようにすることが可能です。
遠隔操作 Mron :https://www.mron.jp

◆労災
在宅勤務を行った場合労災の適用範囲が重要になります。
過労、腰痛、VDT、うつなども含めて従業員に再度研修を行うこともできます。

 

◆参考

在宅勤務制度導入方法:http://lsconsul.com/mt/2009/08/post-31.html

在宅勤務制度導入のメリット:http://lsconsul.com/mt/2009/09/post-52.html

在宅勤務制度導入時の注意点:http://lsconsul.com/mt/2009/08/post-32.html

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