派遣スタッフの数が減少

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派遣スタッフの減少傾向が止まりません。
派遣社員就業数

法改正への対応の他、景気悪化が大きな要因になっていると思われます。以前、厚生労働省が行った調査で「派遣社員を就業させる理由」として
・70.7% 欠員補充等必要な人員を迅速に確保できるため
・35.1% 一時的・季節的な業務量の変動に対処するため
(3つまでの複数回答)
とありましたから、もともと景気が良いときだけ臨時的に雇うということだったのでしょう。

派遣という就業形態を否定はしませんが、労働者にとっても企業にとってもあくまで臨時的なものだという認識を持っていただきたいと思います。その状態が長く続くものだと安心することは双方にとってあまり良いことではありません。

 

◆企業側の認識
派遣社員を活用する理由です。
派遣社員を雇う理由

派遣社員を雇う企業は、派遣社員を一時的な補充、変動対応のために雇っています。ほとんど長期的に考えてはいません。

◆通算派遣期間
3年を超えているのは全体の20%ほどです。
3年の制限がない専門26業務であっても約30%ほどです。
派遣労働者通算就業期間

◆中途解約
中途解約を行ったことがある企業は全体の20%にものぼります。

因みに、中途解約を行った場合派遣先は
・相当な猶予を持って派遣企業に申し入れを行い、同意を得る
・派遣先企業の関連会社で就業先を斡旋するなど就業機会確保に努力する
・派遣元が支給した休業手当、場合によって解雇予告手当を支払う
必要があります。

また、中途解約の理由としてありうるのは、勤怠不良、素行不良、セクハラ、暴行窃盗、客観的に求めたスキルがなかった場合など通常の会社の懲戒事由に該当した場合ですが、いずれにしても派遣契約に定めて有る必要があります。

判例でも派遣先に支払いを命じているものがいくつかあります。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/296724/

以上、調査内容は厚生労働省資料によります
http://www.mhlw.go.jp/za/0806/d10/d10.pdf

◆コスト
派遣社員を活用した場合のコストは決して安くありません。
派遣会社から請求される料金のうち給与が75%、法定福利費が8-10%、諸経費が12-14%、派遣会社の利益が2-3%と言われています。(会社によって大きく異なる)
例えば以下のサイトに派遣社員の平均時給が出ていますが、かつては一般事務でも1,400円ほどありました。すると合計1,900円ほど請求されることになります。場合によっては負担が正社員とあまり変わりません。
http://www.hakenjob.com/opwwwhtm01.php?page=time_fee/101.html

◆派遣契約は原則1年
専門26業務などの例外もありますが、派遣契約は原則1年、派遣先の過半数労働組合などの意見を聞いた場合のみ最長3年まで延長できることになっています。

◆3年経過した場合雇用申し込みの義務が発生する
専門26業務以外で3年を超えて活用し、労働者が就業を希望している場合雇用の申し込みをしなければなりません。
この3年とは、同一の労働者でも同一派遣会社でもありません。例え派遣労働者がばらばらでも派遣会社が異なっていても同一の係、班、グループで行われている業務に3年を超えて派遣社員を活用しているのであれば該当します。(営業1課から5課まで独立した指揮命令を行っているのであればそれが単位となります。)

因みに、間3ヶ月間派遣社員を活用しなければクーリング期間と言い、その後さらに3年間は活用することが可能になります。
それを逆手にとって3年間派遣、その後3ヶ月直接雇用、また派遣に戻す人もいますが、実務上問題が多いでしょう(参考:ラポールサービス事件 名古屋高裁)

◆専門26業務は非常に限られる
派遣受入期間の制限がなくなりますが、該当するのはごく限られた「専門的な」業務のみです。

例えばよく用いられる5号業務(事務作業)でも迅速かつ的確な操作に習熟を必要としない機器の操作は含まれません。
8号業務(ファイリング)でも「文書等の整理のために当該文書等の内容又は整理の方法等について相当程度の知識、技術又は経験を必要とするものに限られ、単に機械的な仕分けを行うものではないことをいいます。 個人の机の周囲の片付けや文書等の番号順の並べ換えの業務はもとより、郵便物を発信元あるいは受信先別に仕分けする業務や売上、経理伝票等を取引先別に仕分けする業務等文書等の内容や整理の方法等について専門的な知識等を用いることのない業務は含まれません」とあります。

また、該当するとしてもそれ以外の業務が1割を超えている場合は、派遣受入期間の制限が生じます。
例えば5号業務の場合、
他の人の分が含まれた書類整理
他の人の分が含まれたごみ捨て
他の人の分が含まれたプリンタ用紙の補給、紙詰まり対応
電話対応
が派遣社員の業務と決められた場合、その時間が1割超えることはできません。
派遣元、派遣先の管理責任者は月に1回は職場を巡回してそのような業務が1割以上行われていないか確認することも求められています。
http://www.roudoukyoku.go.jp/campaign/pdf/fukugou_qa.pdf
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/manual/dl/12.pdf

◆派遣には解雇権濫用法理が適用されない
例えばある事業所に何十年も派遣されて、普通の社員と同じような業務に従事し、契約もずっと更新されていたとしても、派遣先の上司が変わり更新を拒否されればあっさりと職を失うことになります。
通常の雇用契約のように、更新を繰り返すことにより期間の定めのない雇用契約と判断されることもありません。
http://lsconsul.com/mt/2009/07/post-18.html


◆参考
派遣労働に関する労働相談の状況
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2009/10/20ja8201.htm

派遣労働者セミナー
http://www.chiba-roudoukyoku.go.jp/topics/topics202.pdf

派遣に関するアンケート
http://workium.aidem.co.jp/enquete/pdf/2009/future_employment.pdf

首都圏 派遣・請負適正化キャンペーン
http://www.roudoukyoku.go.jp/campaign/index.html

派遣パンフレット
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/haken-shoukai15/index.html

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