パワーハラスメント関連判例

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明治安田生命で女性外交員6名がパワハラで集団訴訟を起こした模様です。
http://www.asahi.com/health/seiho/OSK200909170048.html

この事件の詳細はよく分かっていませんが、最近パワハラに関する訴訟が増えています。
少し前にもヤマト運輸系がパワハラ関連訴訟で500万円の和解金を払ったとのニュースがありました。

今回はいくつか過去のパワハラ関連判例を見たいと思います。

中には、現実的にはいつ起きてもおかしくないような、それでいて判決内容の厳しいものもあります。

◆東芝府中工場事件 H2.2.1
・渋る従業員に、休暇を取る際の電話のかけ方如き申告手続き上の軽微な過誤について執拗に反省書を作成するよう求めた

・後片付け行為を再現するよう求めたり

・いささか感情に走りすぎたきらいがあることは否めず、指揮監督権限裁量の範囲を逸脱し、違法性を帯びるといわざるを得ない

・これらが原因となって欠勤したものであり、その賃金請求権は失わない

賠償
欠勤中の賃金支払い 55,000円
慰謝料          300,000円


◆クレジット債権管理組合等事件 H3.2.13
・確たる証拠がないのに、全従業員の面前で「(横領を)お前がやっただろう」と決め付けるような発言
・同様に証拠隠滅を防止するために自宅待機命令
・発言は名誉を毀損する違法行為であり、自宅待機命令についても合理性がない
・結果的に退職しているが、違法な業務命令によって余儀なくされたものであり会社都合での退職金を支給すべき

賠償
慰謝料      1,300,000円
会社都合退職金     850,000 及び970,000円(被害者2名の為。慰謝料金額は1人あたり)


◆松蔭学園事件 H4.6.11
・クラス担任その他一切の仕事から約4年半に渡り外され
・その後7年ほど自宅研修を命じられる
・など業務命令権としては相当性を逸脱しており、また動機も(産休を主張したことに対する)嫌がらせなど不当なもので、違法、無効。

賠償
慰謝料   6,000,000円


◆JR東日本事件 H4.12.25
・労働組合のマークが入ったベルトをつけながら従事していたところ、就業規則違反を理由に、就業規則全文の書き写し等を命じられる
・業務命令の裁量を逸脱し、又は濫用し、社員の人格権を侵害するもの

賠償
慰謝料   200,000円(+弁護士費用 50,000円)


◆ネスレ配転拒否事件 H6.11.4
・業務を取り上げ、他の職員に話をさせないようにし、
・「会社のノートを使うな」「トイレ以外はうろうろするな」「今週は何をするのか」と発言するなど
・配置転換を拒んだことに対する嫌がらせを行う
・配転に応じない従業員に精神的苦痛を与えることを目的としたもので、裁量の範囲を逸脱した社会通念上許容しがたいもの

賠償
慰謝料    600,000円


◆バンクオブアメリカ・イリノイ事件 H7.12.4
・新経営方針の推進に積極的に協力しなかったことにより
・管理職から降格、その上総務課への配置転換を行う(懲戒ではなく人事権の行使)
・経営は厳しく降格の必要性はあったとしても、総務課への配転は退職へ追いやる意図をもってなされたものであり、不法行為に該当する

賠償
慰謝料   1,000,000円


◆全日本空輸事件
・休職終了後、労働能力が低下しているとし、退職勧奨を行う
・上司5名が約4ヶ月、30数回、中には約8時間にも及び退職勧奨ととれる面談、話し合いを行う
・面談において、「寄生虫」「他の社員に迷惑」と発言、大声を出したり机をたたく
・寮にまで赴き面談、家族にも会い退職を説得するよう依頼
・これらは社会通念上許容しうる範囲をこえており、不法行為に該当する

賠償
慰謝料  500,000円、(+弁護士費用50,000円+判決確定までの賃金)


◆川崎市水道局いじめ自殺事件 H14.6.27
・非常に有名な事件です。かなりひどいいじめが原因での自殺
・市は加害行為を防止し、生命・身体への危険から被害者の安全を確保して災害発生を防止し、職場における事故を防止する注意義務(安全配慮義務)がある

賠償
逸失利益給与  44,690,000円
逸失利益退職金  2,180,000円
慰謝料     24,000,000円
本人の要因    - 49,610,000円
弁護士費用    2,200,000円


◆国際信販事件 H14.7.9
・退職させるためにあらぬ噂を社内に流す、勤務状況改善の申出に関わらず過重な勤務を強いる、不合理な座席の移動を命じる、侮辱的な発言を行うなど
・精神的なストレスによりうつ病を発症、退職を余儀なくされる

賠償
未払い賃金 1,120,000円
慰謝料   1,500,000円
休業損害    330,000円


◆誠昇会北本共済病院事件 H16.9.24
・ひどいいじめにより自殺
・いじめは3年ほど続き、社員旅行や会議中にもあり、雇い主も認識が可能であったにもかかわらず、防止する措置を採らなかった安全配慮義務違反の債務不履行
・いじめにより自殺することが予見できた場合には死亡について損害賠償を払うべき

賠償
慰謝料  いじめた本人 10,000,000円
        雇い主     5,000,000円


◆三井住友海上火災保険上司事件
・「やる気がないなら会社を辞めるべきだと思います。当SCにとっても、会社にとっても損失そのものです。(略)あなたの給料で業務職が何人雇えると思いますか」
・「これ以上、当SCに迷惑をかけないでください」とのメールを同じ職場十数名に送信
・名誉感情をいたずらに毀損するものであり、相当性を欠く
・しかし、業務に関し叱咤督促する趣旨であり、人格権の否定とは言えず、パワーハラスメントには該当しない

賠償
慰謝料   50,000円


◆U福祉会事件 H17.4.27
・職員会議で、他のユニオンに加入したことを理由に非難され
・これが理由で精神的疾患に罹患
・違法に人格権を侵害したもの

賠償
慰謝料  5,000,000円
未払い賃金、期末手当、通勤手当 合計 3,150,000円


◆静岡労基署長日研化学事件 H19.10.15
・存在が目障りだ、いるだけでみんなが迷惑している
・お前のカミさんも気がしれん。お願いだから消えてくれ
・車のガソリン代がもったいない
・お前は会社を食い物にしている、給料泥棒
・肩にフケがベターとついてる。お前病気と違うか
・などの発言を行う。社会通念上客観的に見て精神疾患を発症させる程度に過重な心理的負荷を受けている。
・それが元で精神障害に罹患、そのまま正常の認識、行為選択能力が阻害され自殺に及んだと考えられる。

労災認定


◆前田道路事件 H20.7.1
・不正経理を行った従業員に対して上司が叱責
・もともと達成困難な計画未達について、落ち込むまで叱責
・「会社を辞めればすむと思ってるかもしれないが、やめても楽にならない」の発言
・などによりうつ病を発症。その後自殺。
・社会通念上許される業務上の指導の範囲を超えるものであり不法行為に該当するとともに、安全配慮義務の債務不履行にもあたる

賠償
逸失利益    87,514,165円
葬儀費      1,500,000円
慰謝料     28,000,000円
家族への慰謝料  5,000,000円
過失相殺   - 73,208,499円


◆長崎海上自衛隊員自殺事件
・「お前は覚えが悪いな」「バカかお前は、三曹失格だ」
・「お前はとろくて仕事ができない、自分の顔に泥を塗るな」などの発言
・閉鎖的な艦内で継続的に行われたもので、指導の域を超えるものといわざるを得ない
・一方で関係良好な時期もあり、従業員は自発的に焼酎を持参したり
・その返礼に上司が自宅に招いたりもしている
・ただし、少なくとも従業員の状況を観察し、または部下に指示して報告させていれば変調を認識し、適切な措置を採りえたはずであり、注意義務違反である。

賠償
慰謝料  3,500,000円


※参考:厚生労働省資料、及び「パワーハラスメント裁判例集」21世紀職業財団

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コメント(1)

パワハラ・セクハラは裁判員制度を用いた裁判にはならないのでしょうか?

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