快適職場調査の活用によるソフト面の改善

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前回、快適職場作りの話を取り上げましたが、これは助成金を使いハード面を改善するという方法でした。
http://lsconsul.com/mt/2009/08/5-1.html

今回は、ソフト面(心理的、制度的)の改善について考えてみたいと思います。
特に、最近は職場のストレスから体調を壊し、時にはうつ病になり・・・
というケースが増加しています。心理的なケア、フォローができるような制度は、施設や設備よりもしかしたら重要なのかもしれません。

因みに、毎日コミュニケーションの調査では
・仕事でのストレスを感じている           71.9%
・ストレスが原因で週に数回以上会社にいきたくないと思う  48.4%
・ストレスが原因で体調を崩したことがある     68.7%
とのこと。
http://cobs.jp/pr/090730.html

◆ストレスの原因
前掲毎日コミュニケーションの調査では、(複数回答)
・社内の人間関係       61.9%
・仕事内容に対する不満   52.6%
・不況による待遇の変化   43.5%
将来に対する不安      43.2%
だったそうです。

◆ソフト面の快適職場作りに関して影響ある項目
中央労働災害防止協会の「快適職場システムづくり調査研究委員会」では、以下のように提示されています。また、その横にある数字はH16年度からH18年度にかけて、事業所にとったアンケート結果で「影響が大きい」と回答があった割合(複数回答)です。

1.キャリア形成、人材育成  50.4%
2.人間関係           78.6%
3.仕事の裁量性        23.6%
4.処遇              36.8%
5.社会とのつながり        9.4%
6.休暇、福利厚生       43,6%
7.労働負荷(労働の過剰または不足、心理的疲れなど)  50.1%

◆現在の職場のレベルを知る
以下のアンケートを、従業員と、管理者それぞれに行ってください。
各質問ごとに良くあてはまる「5」から、全くあてはまらない「1」までの5段階で評価してもらいます。それを1~7のそれぞれの項目ごとに足し、5で割ります。

その結果
・従業員側と管理者側の平均に乖離が大きい場合(0.5以上)
 (意識に違いがあり問題)
・従業員平均(2.5-3.5)、管理者平均(2.8-3.8)より低い場合 (快適感が低い)
・項目ごとのバランスが悪い(1.5以上)
 (従業員は様々な領域を相対的に評価する)
となった場合は、なんらかの対策が必要です。

1.キャリア形成、人材育成
・意欲を引き出したり、キャリア形成に役立つ教育が行われている
・若いうちから将来の進路を考えて人事管理が行われている
・グループや個人ごとに、教育・訓練の目標が明確にされている
・この職場では、誰でも必要なときに必要な教育・訓練がうけられる
・この職場では、従業員を育てることが大切だと考えられている

2.人間関係
・上司は、仕事に困ったときに頼りになる
・上司は、部下の状況に理解を示してくれる
・上司や同僚と気軽に話ができる
・この職場では、上司と部下が気兼ねのない関係にある
・上司は、仕事がうまく行くように配慮や手助けをしてくれる

3.仕事の裁量性
・自分の新しいアイデアで仕事を進めることができる
・仕事の目標を自分で立て、自由裁量で進めることができる
・自分のやり方と責任で仕事ができる
・仕事の計画、決定、進め方を自分で決めることができる
・自分の好きなペースで仕事ができる

4.処遇
・世間的に見劣りしない給料がもらえる
・働きに見合った給料がもらえる
・地位に合った報酬を得ている
・給料の決め方は、公平である
・この会社の経営は、うまくいってい

5.社会とのつながり 
・自分の仕事は、よりよい社会を築くのに役立っている
・自分の仕事が、社会と繋がっていることを実感できる
・自分の仕事は、世間から高い評価を得ている
・自分の仕事に関連することが、新聞やテレビによくでる
・今の職場やこの仕事にかかわる一員であることに、誇りに思っている

6.休暇、福利厚生 
・この職場には、世間よりも長い夏期休暇や年次休暇がある
・この職場では、産休、育児休暇、介護休暇がとりやすい
・この職場では、年次有給休暇を取りやすい制度や雰囲気がある
・この職場には、心や身体の健康相談にのってくれる専門スタッフがいる
・心や身体の健康相談のために、社外の医療機関などを気軽に利用できる

7.労働負荷
・仕事はいつも時間内に処理できる
・全体として仕事の量と質は、適当だと思う
・残業、休日、休暇を含めていまの労働は適当だと思う
・翌日までに仕事の疲れを残すことはない
・家に仕事を持ち帰ったことはめったにない

◆ソフト面の快適職場作りのための改善施策、制度例
1.キャリア形成、人材育成
・キャリアコンサルティング、カウンセリング
・キャリアデザイン研修
・メンター(助言者)制度
・高齢者(60歳以上)を助言者として活用
・計画的人事ローテーション制度
・自己申告制度、社内公募制度、社内フリーエージェント(FA)制度
・e-ラーニング
・教育訓練のための休暇制度
・教育訓練の費用補助

2.人間関係 (意思疎通を強化)
・管理者のマネジメント方針、行動指針を明示 (管理者の考え方を伝える)
・管理者行動に関する管理者本人と部下による調査
・部下理解を基盤とした支援型マネジメントの実践 (部下の状況や立場を理解する)
・従業員態度調査(モラールサーベイ)
・組織開発研修、組織風土改革研修・改革推進キャンペーン
・管理者と部下の定期面談制度、経営幹部と従業員との懇談会
・組織内情報共有ミーティング
・職場でのレクリエーション活動

3.仕事の裁量性
・権限委譲(エンパワーメント)の推進
・権限規定の見直し
・支援型マネジメントへの移行 (組織主導から個人尊重へ)
・裁量労働制の導入
・各種提案制度の実施

4.処遇
・成果業績重視型の人事賃金制度への移行
・賃金体系見直し(年功給、職務給、職能給、資格給、各種手当等の見直し)
・年俸制の導入
・成果配分型賞与の導入
・退職金制度の見直し
・企業年金制度の見直し(確定拠出型年金制度の検討等)
・人事考課制度の改定(考課基準、考課指標等の改定)
・評価者訓練の実施
・目標管理制度の導入
・行動評価、コンピテンシー評価、360度評価等の導入

5.社会とのつながり
・企業理念・経営指針とCSRの関係整理、必要に応じた理念・指針の修正
・理念・指針等の社内外周知推進、積極的広報活動
・法令遵守(コンプライアンス)の徹底
・メセナ・フィランソロピー等、社会貢献活動の継続的実施
・従業員の社会貢献活動支援制度の導入

6.休暇、福利厚生
・休暇制度の拡充
・休暇取得の義務付け、休暇取得の目標値設定による取得促進
・労働者の心の健康の保持増進対策の実施
・メンタルヘルスケアの専門組織設置、専門スタッフの配置
・外部機関を活用しての従業員支援プログラム(EAP)の導入
・従業員のメンタルヘルス教育・研修の実施
・管理者のカウンセリングマインド養成研修実施
・ファミリーフレンドリー施策の実施

7.労働負荷
・業務のビルド&スクラップ、業務のやり方の改善
・IT化による業務効率化
・労働時間短縮、残業削減への従業員意識の喚起
・部署間業務量の平準化調整(業務移管)
・業務アウトソーシング
・残業実施の際の手続きの厳格化、残業時間目標値の設定、ノー残業デー設置
・在宅勤務、テレワーク

◆改善実施手順
1.取り組みを事業場の長が決定
2.衛生委員会等に諮り、内容、実施方法等の承認を得る
3.推進スタッフの選任
4.計画、スケジュール等を作成
5.快適職場作りの周知、キャンペーン等の実施
6.管理者、従業員の理解を得た上で調査を行う
7.そこから、課題、問題点を抽出
8.改善策の検討、立案
9.改善策について衛生委員会等で労使間の調整を図る

参考:http://www.jaish.gr.jp/user/anzen/sho/shiryo/pdf/H20soft_doc_P107-P128_2.pdf

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