管理監督者と残業代削減

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外食大手すかいらーくが今まで管理監督者として残業代を払っていなかった、グループファミリーレストラン店長ら約3,300人に4月から残業代の支払いを始めているそうです。

新しい人事制度では月40時間分のみなし残業代を支払った上で、それを超えた分は残業代として支給。これによりすかいらーく単体の管理職は約3,100人から約250人に減少
人件費は年1億円程度膨らむ見込み。

また、昨年9月以降の残業代についても、さかのぼって支払いを始めており、今年12月には計約15億円分の支給が完了するとのこと。
グループを除くすかいらーくの社員に占める管理職の割合は73%から6%に減少。
http://www.47news.jp/CN/200908/CN2009080701000224.html

さて、管理監督者に該当しないから、残業代を払えというのは簡単ですが。
経営厳しい中小企業が、はい、分かりました払いますよ~、と簡単に言えるケースは少ないでしょう。

経営苦しい会社にとって、なるべく残業代を増やさない方向で、現実的な対応方法を考えてみたいと思います。(働いている人からは怒られそうですが)

◆それでも管理監督者をめざす
核になる人には、やはり残業してもらわなければならないときがあります。
その時は権限を増やし、本当の管理監督者になってもらいましょう。
もし以下のように変更できるようなら、胸をはって残業代を払わなくても済むでしょう。
(労働条件その他労務管理について経営者と一体的な立場にあるようにするそして
労働時間等の規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な職務内容とする)

・アルバイト、パート等の採用、雇い止め、解雇等について権限を与える
・部下の人事考課についても大きな(最終)権限を与える
・勤務割表作成、残業の命令についての責任と権限を与える

(勤務態様も労働時間等の規制になじまないようにする)
・勤務時間もある程度自由にし、遅刻早退について減給、人事考課上の不利益をなくす
・人が足りず、長時間労働を余儀なくさせるという状況が無いようにする
・勤務態様、勤務内容等は部下と異なるようにする。
 (ニュアル通りの仕事ばかりではない)

(その立場にふさわしい賃金とする)
・時間単価に換算した場合、アルバイト、パートよりある程度額が多い

※因みに、深夜労働分は割増賃金を払う必要があります。

◆固定残業代込の給与とする
すかいらーくがとった方法もこれと同じです。導入手順は

  • 従業員向け説明会(厳しい経営状況と法令違反の事実について)
  • 労働組合、もしくは従業員代表者との協議
  • 過去(払えるだけ)の未払い残業代を清算
  • 固定残業代を決定(賃金の額に比例して段階的に決めること。
    一律~万円は不可)
  • 役職手当、営業手当等の廃止を検討
  • 賃金規定に、「時間外労働○○時間分相当額として時間外手当を支給する」と明記
  • 時間外手当が時間外労働○○時間相当額である計算根拠を雇用契約書等にて明記
  • 賃金規定等の変更に関して従業員の同意をもらう
  • 給与明細に時間外手当の欄を設け、残業代の一部であることが家族からも分かるようにする
  • ○○時間を超えた残業があった場合はその分の残業代を支払う
もし、これで基本給分を少し減額(固定残業代含めた手取りは前より増加)できるようであれば会社側にもメリットがあります。

◆変形労働時間制を導入する
例えば1ヶ月を単位としたフレックスタイム制を導入すると、原則1日や1週間で残業があったとしても、その1ヶ月の労働時間が法定労働時間以内であれば、残業代は発生しません。

単位(清算期間)が30日だったとすると、
30日(単位)÷ 7日(1週間) × 40時間(法定労働時間) = 171時間
以内であれば、1日、1週間単位で残業があっても、残業代は発生しません。
(注:フレックスタイム制で残業を依頼するときは割増賃金が発生するとの学説もあります。依頼するときは必ず、説明とともに同意をもらうようにしてください)

◆所定労働時間が適切か確認する
例えば、月給の人については、残業代は
賃金 ÷ 月間平均所定労働時間 × 1.25 × 時間外労働
のように計算します。その時に所定労働時間が少ないと、分母が小さくなるため残業代が増えます。

月間平均所定労働時間の最大は月173時間ほどでしょうか。
(40 × 52.14 ÷ 12 = 173 )
実際は祝日などもありますから変わりますが、あまりに所定労働時間が少ない場合は、変形労働時間制を使うなど考え直したほうがよいかもしれません。

◆割増賃金計算から控除できる手当てを確認
計算の対象から除外できるのは、家族、通勤、別居、子女教育、住宅、臨時、1ヶ月を超える期間ごとに払われる賃金。
もし、住宅手当等が一律~万円、のように支給されている場合控除できなくなるので、一定率にするか、段階的に支払うなど支払い方法を改めましょう。
なお、完全年俸制の場合賞与分も割増賃金に含める必要が出ます。固定残業代込とするか部分年俸制にしましょう。

◆個人事業主にし、業務請負契約とする
請負契約に、業務内容を定め、細かい指示は一切しないようにします。
すると、労働者ではなくなりますから、残業代を払う必要も、労働時間管理する必要もなくなります。
(一定の安全配慮義務は残ります。また要件を守る必要があります。)

※ブレックス・ブレッディ事件
フランチャイズ契約で、本部が業務指導、アルバイトの時給等を決めていたが、雇用しておらず労働者でもないため、割増賃金の支払いは必要ないと判決

◆業務内容により、時給を変える
例えば、警備や運送業では仮眠や待機時間があります。会社の管理下にある場合は労働時間とされ、必要に応じ残業代を払う必要があります。しかし、仮眠や待機期間など明らかに密度が低い場合には別の時給とすることもできます(最低賃金法に注意)。

残業代を払うにしても、今までの時給である必要があるのか見直しましょう。

◆裁量労働制
・事業場外みなし労働時間制
・専門業務型裁量労働時間制
・企画業務型裁量労働時間制
ある程度は、実際の労働時間にかかわらず、一定の決められた労働時間として計算されます。
(休日、深夜等については割増となるので注意)

◆持ち帰り残業を明確に禁止する
使用者の業務命令によって家で仕事する場合も残業となります。時間を把握するのも困難になりますから、禁止しましょう。

◆残業を申告、許可制にする
だらだらと残業することを防ぐためです。

◆その会議おいくらですか
http://muddydixon.on.coocan.jp/meetingcost/
だらだらと会議することを防ぐためです。

◆業務を効率化、アウトソーシング
システムや、業務標準化により効率化しましょう。
外注した場合のコストと比較し、見直しを考えましょう。

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